我が国スタートアップ企業が世界で大飛躍する環境作りへの提言書を公表

2023年4月25日

日本取締役協会スタートアップ委員会(委員長 冨山和彦:日本取締役協会会長、経営共創基盤IGPIグループ会長、副委員長 楠木建:一橋大学大学院経営管理研究科教授)は、
この度グローバルに飛躍する日本発ユニコーン企業の輩出を目指して、我が国ベンチャー・エコシステムの環境整備を図るための提言書を作成、公表しました。

現在、ユニコーン企業(未上場で創業10年以内の企業評価額10億米ドル以上の企業(日本円換算で1338億円相当)は、日本では現在わずかに6社。グローバルな社会課題である代替エネルギーやヘルステック等に関わる本格的な技術、いわゆるディープテックシーズが日本には豊富にあり、政府も積極的な支援策を講じています。

また、デジタル領域のイノベーションも生成AIの飛躍的な進化によって、新たなゲームが、ディープテックとの融合も想定可能な領域も含めたよりリアルでシリアスな新しい事業領域において始まろうとしており、日本発スタートアップのチャンスは拡大しています。しかし全世界で1207社、国別で米国654社や中国169社などと比較すると、ユニコーン企業の数は極端に少ない*。その背景には、何らかの阻害要因が我が国スタートアップ企業を取り巻く環境には潜んでいるはずです。

本提言書は以下のようなアジェンダ構成となります。まず、一部においてガラパゴス化した日本のベンチャー投資環境での課題を指摘し、次に世界へ雄飛するためグローバルなベンチャー投資家を日本のスタートアップ企業に呼び込むのに必要な手立て(ガバナンス構造、投資契約・株主間契約、ストックオプションなどのインセンティヴスキーム等)を提言しています。我が国スタートアップ企業がグローバルに大成長しやすい環境を作るうえで将来モデルになりうる、北欧の現状も紹介しています。また今後に、実際のビジネス現場で使用できる「モデル英文投資契約書」を、併せて今後に追加公表予定です。

本提言は、政府・経産省が推進しているスタートアップ支援策ともリンクしながら、新たな視点と行動機会を提供するものです。本提言を「新しい資本主義実現会議」において、冨山会長の発言参考資料として提出いたしました。今後、関係省庁、関係各位にも内容説明に伺う計画です。

提言策定に際しては、日本・米国・北欧を代表するベンチャー投資家、ベンチャー企業CEO、金融庁OB、日本を代表する経営学者や知的財産権を専門とする法学者らが議論に参画しております。

<100分でわかる本提言オーディオ解説>
我が国のベンチャー・エコシステムの高度化に向けた提言(宮下和昌弁護士による音声解説)

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