意見書:S&P一般格付け規準の見直し(2012)

2012/04/12

スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P社)の「一般格付け規準:経営陣とガバナンスに関する信用力評価要因」の改訂に意見書を提出しました。


◆S&P 一般格付け規準: 意見募集:経営陣とガバナンスに関する信用力評価要因(案)に対する意見 ※日本語要約

(1) 全体的な意見
日本企業を評価するにあたっては、現在の日本の法律(会社法)や上場規則(ハードローおよびソフトロー)では、社外(外部)取締役の導入を厳しく義務付けてはおらず、取締役のほとんどが内部取締役である点を考慮に入れるべきである。

(2) 個別的な意見
表1の1(段落17-18)戦略策定プロセスにおいては、短期だけではなく、中長期の目標も重視すべきである。

表2の1(段落44)および3(段落46)においては、日本の会社法の構造及びその運用実態として、内部取締役が大多数を占める企業が多い現状に鑑みると、取締役会の経営陣からの実質的な独立性の確保レベルを評価する上で、社外(外部)取締役の形式的導入だけの評価ではなくて、実質的な貢献度など、詳細な評価が必要である。

具体的には①資質(形式的な独立性、利害相反性の問題だけでなく、経営者に正面から対峙し、場合によって退任を促すほどの見識と能力を持っているか)、②ガバナンスの担い手として求められる知識やスキル、心構えに関するトレーニング状況(例えば日本取締役協会に所属して、然るべき研鑽を積んでいることか)、③当該会社の社外取締役としての職責を果たすのに十分な情報を会社から得る努力をしているか、職責を果たすために十分な時間をかけているかといった項目を評価対象にすべきである。


◆英文作成にあたっては、西村あさひ法律事務所パートナー弁護士 大井悠紀氏にご協力をいただきました。


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