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コラム:イノベーションと損害保険

2013/07/16

AIGジャパン・ホールディングス株式会社 専務執行役員兼チーフインテグレーションオフィサー 首藤透

 「元気な日本経済のために」というテーマをいただき、何を書こうかと考えているうちに日本が元気になってきた。不思議なものである。これは言うまでもなく「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「構造改革による成長戦略」のいわゆる3本の矢によるアベノミクスの効果によるものであろう。

 もちろん、これらの政策と将来的な展開についての賛否は大きく分かれているが、それらに関する論評は専門家にお任せするとして、一経済人として言えばやはりみんなの気持ちが前向きになり、景気が上向きになってくることは素直に喜ぶべきものと考えている。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災から早くも2年以上が経過した。

 この未曾有の大災害に対しては、損害保険業界が一丸となって対応を行い、被災された方々に迅速に保険金をお届けできたことから少しでもお役に立てたという安心感がある反面、復興復旧がなかなか計画通りに進んでいないという状況を仄聞すると一日も早く被災地の復興復旧がなることを願わずにはいられない。

 また、震災当時よく使われていた「想定外」という言葉は、損害保険業界に身を置く私にとっては何となく居心地の悪い言葉であった。もちろん100年に一度ともいわれる大災害の発生とその被害を予見し、それに対する十分な備えを行い、被害を可能な限り最小限に抑えるということは確かに難しいことであろう。しかし、本当にそれらをひとくくりにして「想定外」で終わらせてしまっていいのだろうか、と。

 今後、アベノミクスの「構造改革による成長戦略」により、さまざまな規制緩和や取り組みが実施され、これまでにはない新しいイノベーションが期待される。しかし、その結果として、そのイノベーションには今まででは想像もできなかったようなリスクを同時に生み出すことになるかもしれない。

 私たち富士火災の役割は、それらのリスクの存在を事前に把握し、それらに対する適切なソリューションを確実に提供していくことであると考えている。イノベーションの進展に伴い発生する「想定外」のリスクを「想定内」とし、新しい時代を切り開く方々により多くの安全と安心をご提供するために。

 これまでも、富士火災は日本国内において個人・法人の皆さまへ損害保険を通じて安心や安全の提供に努めてきた。そして、世界的に損害保険事業を展開するAIGグループの一員となった現在では、これまで以上に広い知見を持ってさまざまなリスクに対する適切なソリューションを提供することが可能になったと考えている。

 新しい時代を創造していこうとする皆さまとともに社員一丸となって挑戦し、ともに新しい時代を築いていくことができればこんなにすばらしいことはないと考えている。