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コラム:スポーツ・ツーリズムの魅力

2013/05/15

株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン 代表取締役社長 石坂信也

 カナダのパウダースノーを求めて、20代の仲間同士で冬休みにスキー旅行。長男が憧れるメジャーリーグ・ベースボールを生で観戦するため親子でアメリカ西海岸への夏休み旅行。トライアスロンのアイアンマンレース参戦の為にオーストラリアに遠征。リタイアした夫婦で憧れのリンクスゴルフの為にスコットランド旅行。これらはいずれも最近では決して珍しい例ではないと思う。どれもスポーツを一つの目的にした旅行(ツーリズム)でもある。

 私の会社は主にゴルフ産業に特化したビジネスを展開しているが、このビジネス一つとってみてもゴルフとツーリズムの関係は極めて密接である。そもそも、「ゴルフ・ツーリズム」と括った場合の市場規模は明確ではないものの、例えば年間8兆円とされるアメリカのゴルフ産業の、間接的な経済効果、すなわちツーリズムにまつわるリゾート事業や旅行全般への波及効果含めると、その額は約2.5倍の約20兆円近くに達するとも言われている。

 アベノミクスの効果による円安傾向も手伝って、ここ最近では海外から日本への旅行者が増えているようだ。今のうちにもっとさまざまなコンテンツを充実させることにより、一時的にではなく継続的に、日本を魅力的な旅行デスティネーションとして底上げすることがまだまだ出来るはずではないだろうか。そればかりか、国内旅行とスポーツにおいても伸びる余地はまだかなりあるに違いない。

 では、どういった活動によりスポーツ・ツーリズムを活性化することが可能だろうか。

 スポーツ関連施設のインフラ整備やイベント企画、町おこし等を想定した商品開発がまず考えられる。更には、業界横断的な取組みで実現できるであろう総合的な環境作りだ。

 また、移動費の低下(LCCや中長距離バスの台頭による)は当然大きな追い風にもなることだろう。

 コンテンツ的には、現存する環境・モノに一定の磨きをかけることで、材料としては充分以上にあるであろう。
豊かな自然に恵まれているのは日本の強みであり、四季折々にさまざまな異なった表情の自然に触れることが出来るのも魅力であるのだから。

 北では北海道のパウダースノーは近年、世界的にも評価の高い雪質と認められている。

 南では沖縄本島や離島のサンゴ礁は世界のダイビングスポットとしてどこにもひけをとらないし、素晴らしいビーチや地域環境はサーフィングやランニング、トライアスロンにも適している。

 また、自然からの恵み以外でも、野球やサッカー等では世界的にもレベルの高いプロリーグがあり、その試合観戦という点においても非常に充実しているし、ゴルフ環境を見ても大変優れている。

 各社・各団体が手を取り合って、前述のようなコンテンツ材料に対して、さまざまなインフラ整備や仕掛けを行えば、間違いなく、スポーツ・ツーリズムは全国の活性化や日本経済そのものにも刺激を与えることであろう。まさにスポーツ・ツーリズムを強化することは国の成長戦略そのものでもあると主張したい。

 当社はゴルフの分野において、これから従来型の既成概念にとらわれないゴルフの企画も展開していこうと考えている。

 日本はゴルフ場数において世界の中でアメリカに次いで2番目の数を誇っている。だが、今後人口減に伴い、ゴルファー人口も減っていくことが当面の日本におけるゴルフ市場の課題だとすると、その人口を増やすことと、海外からのゴルファーを増やすことに専念する以外に手段は残されていない。その為にも今年の当社のスローガンは『ゴルフ開放運動』である。ゴルフが本来持っている魅力を引き出し、その商品力で「ゴルフ・ツーリズム」の活性化に繋げていくために。そして自分達でもそれをエンジョイするために。