2010年

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コラム:独立役員は通常役員より重い責任を負うのか

2010/12/02

西村あさひ法律事務所 弁護士 下條正浩

平成22年3月31日に株式会社東京証券取引所(以下、「東証」という)の上場整備懇談会は「上場制度整備の実行計画2009(具体案の実施に向け検討を進める事項)」に関する審議のまとめを発表した。その別紙1として、「独立役員に期待される役割」が添付されている。これは一見するとなるほどと思わせるものであり、その後の文献等もこれを所与の前提として独立役員は何をすべきか等が論じられているようである。

しかし、よく考えてみると、なぜ独立役員のみがこのような役割を期待されるのかという疑問が出てきた。そこで本稿において、この問題点を検討することとした次第である。なお、以下の記述は独立役員が取締役である場合を前提とするが、独立役員が監査役である場合にもほぼ同様のことがあてはまる。

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コラム:コーポレート・ガバナンス 色々

2010/10/07

ソニー株式会社 ソニーユニバーシティ学長 青木昭明

 20年程前、私がソニー株式会社の取締役になった時、英文名刺に担当部門のSenior General Manager(本部長)というタイトルと併せて、Director of the Board(取締役)と印刷した。欧米、特に米国のビジネスマンと名刺交換をする度に、相手方は私の名刺を見て少々驚くか、もしくは訝ることがよくあった。当時、米国の大企業では既にCEO、COO、CFO以外で社内のメンバーが取締役会に名前を連ねるのは稀であったからだ。

 新しい金融の動きを理解し戦略を考える委員会(委員長 江原伸好、副委員長 川本裕子)は、表記レポートについて、東京証券取引所のみなさまとの意見交換を行いました。その概要を抜粋、掲載しています。

 新しい金融の動きを理解し戦略を考える委員会(委員長 江原伸好、副委員長 川本裕子)は、表記レポートについて、日本銀行のみなさまとの意見交換を行いました。その概要を抜粋、掲載しています。

―今こそ「完全解消」に向けて、新しい枠組みでのインセンティブシステムや施策パッケージを―
 日本の新しい金融の動きを理解し戦略を考える委員会(委員長 江原伸好、副委員長 川本裕子 )は、今こそ銀行の政策株式保有の完全解消に向けて、新しい枠組みでのインセンティブシステムや施策パッケージをデザインすべきであり、「持ち合い株」の「早期完全解消」は、健全な日本企業ガバナンスと、健全な日本株式市場の確立の礎となり、グローバル市場における日本経済の競争力強化を加速するという主旨のレポートを発表しました。

世界最大のコーポレート・ガバナンス(企業統治)団体、国際企業統治ネットワーク(ICGN)は、2010年6月7~9日にかけて、カナダ・トロントで年次会議を行い、当協会からは大楠泰治理事が出席しました。

BOOK:独立取締役ハンドブック(2010)

冨山和彦、落合誠一(監修)日本取締役協会 (編集) 単行本:181ページ;2,400円(本体価格)
出版社: 中央経済社 ;  ISBN978-4-502-99390-9(2010/05)
内容: 独立取締役(社外取締役)はグローバル・スタンダードの経営システムを実現する上で、重要な要素である。その責任と役割を理論と実践で最先端をゆく執筆陣が明らかにする実践の書。
購入はこちらから

ロビー活動:第6回ラウンドテーブルジャパン(2010)

当協会が協力を行った、国際会議「Round Table Japan」(2010年)が、5月28日(金)~29日(土)東京・赤坂JETRO会議室にて開催されました。本会議は、2005年から、政治やビジネスの第一線で活躍する人たちが集まって、日本経済の中長期的な課題を考えるというもので、その主旨に賛同し今回参加をいたしました。

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コラム:日本的雇用慣行の再評価と労働市場規制

2010/05/13

国際基督教大学教養学部 教授 八代尚宏氏

 私はほぼ9年間、宮内義彦会長の下で規制改革会議の委員を務め、社会的規制を主として担当し、多くの勉強をさせていただいた。その間、宮内会長の指揮ぶりや会社経営の方法の片鱗を拝見したが、残念ながら規制改革の成果は上がらず、当時の宮内会長のお言葉を借りると「遅々として進んでいる」という、やや日本語にならないような表現だった。しかし今はむしろ逆行しており、しかも、年々そのスピードが高まっているという信じられない状況である。

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第8回定時会員総会

2010/05/13

場所:帝国ホテル(内幸町)

特別講演:国際基督教大学教養学部教授 八代尚宏氏
テーマ:日本的雇用慣行の再評価と労働市場規制
→講演録はこちら

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コラム:企業の人倫的ガバナンスのすすめ

2010/05/10

元早稲田大学商学部教授 小林俊治氏

 今日の日本の企業社会は、企業倫理を重視する企業人と企業倫理を軽視する企業人とに分けられる。一方では、純粋に企業倫理の進歩のために努力している企業人も少なからずおり、またビジネスと社会改革とを結び付けるという社会企業家のような利他主義的な人たちも出現してきている。だが、他方では、自己の栄達や金儲けのためには、手段を選ばない企業人も依然として多い。

ディスクロージャー委員会(委員長 東哲郎、共同委員長 清水雄輔)は、現在わが国のディスクロージャー制度が抱える問題点を検証し、四半期開示や適時開示(決算短信)の簡素化と共に、投資家自身が企業業績の長期予想を行えるようなIR(Investor Relations)情報の充実等の改善提言を発表いたします。

役員報酬検討会(リーダー江原伸好、冨山和彦 )は、本日金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令(案)」等のうち、特に役員報酬開示に関しては、役員報酬総額の要素別開示と報酬方針の開示については賛成である一方、個別報酬開示については、反対意見を提出しました。役員報酬個別開示は企業活動の活性化の観点からその是非を考えるべきであり、企業経営の活力や競争力を損なうような規制には反対します。

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コラム:会計士と弁護士の共同作業の必要性

2010/03/09

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 弁護士 池永朝昭氏

 当協会の内部統制ワーキング・グループの座長として、投資家にわかりやすい開示という視点から内部統制報告書、内部統制監査報告書、監査報告書等を統一的に検討するという作業を行っているが、現役社外監査役かつ内部統制に関する法律実務を扱う身として実感するようになったことがある。それは次の二点である。

BOOK:大正に学ぶ企業倫理(2010)

弦間明、荒蒔康一郎、小林俊治(監修)日本取締役協会 (編集) 単行本: 290ページ; 2,800円(本体価格)
出版社: 生産性出版; ISBN-13: 978-4820119388(2010/02)
内容: 大正時代は15年という短い期間であるが、「社会の歪み」「個人の尊重」「企業の社会化」「目覚める経営者」など、現在と同じような状況も存在した。各種の思想や文化が咲き乱れた豊穣の季節であった、その揺れ動いた時代を新たに見つめ直し、企業と社会のあり方を探る。
購入はこちらから

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コラム:株主総会と情報開示

2010/01/15

大宮法科大学院大学教授 野村ホールディングス取締役 
弁護士 久保利 英明氏

1.株主総会のビジュアル化の流れ 

 09年版の総会白書によればビデオやプロジェクターを利用した株主総会のビジュアル化を採用している会社は73%に上っている。対象としては事業報告や連結計算書類の内容が圧倒的である。資本金500億円超の企業では約半数がナレーションも用いて、議長の負担を軽減している。多くの会社の招集通知添付の事業報告は白黒印刷の無味乾燥な文章の羅列にすぎない。これを年配の議長が老眼鏡に掛け替えて、一字一句間違えないように読み続けるのは苦行に近い。これをカラーにしてグラフ化したり、工場や新製品の映像を挿入したりしてビジュアル化し、プロのナレーターにより説明する方が出席株主にとってわかりやすく、会社の現況の理解が進むことは間違いない。株主が飽き飽きしたという顔つきで早く質問をさせてくれとばかりにモゾモゾしているのも誠に気の毒な光景である。